1on1でもなく面談でもない「壁打ち」というコミュニケーション方法の効果

2022年6月30日

最近会社で「壁打ち相手」をやる事が増えたので「そもそも壁打ちとはなんぞや」を自分なりに整理しました。

壁打ちとは何か

壁打ちとは、悩みや頭の中のモヤモヤを、上司や評価者ではない「誰か=壁役」に聞いてもらって、気持ちをすっきりさせるコミュニケーション方法です。

ただ「すっきりしておわり」なのか、それ以外にどんな効果が見込めるのか、ルールやポイントも含めてまとめてみますので、みなさんもぜひお試しください。

壁打ちの位置づけ

まずビジネスにおいてのコミュニケーション方法には様々な形式があります。
例えば上司と部下が1対1で定期的に行う「1on1」や、評価を通じて成長やモチベーションアップをはかる「評価面談」。
その他にも、自由にディスカッションをしてアイディアを出していく「ブレスト(ブレインストーミング)」や、プロジェクトの節目節目で行う「振り返り会」。
部門やプロジェクト単位で進捗報告等を行う「定例ミーティング」や、期末や決算時に行う上司から部下まで全員参加の「全体会議」などなど。

それぞれの方法で目的が違いますので状況に合わせて使い分けているわけですが、じゃあその中で「壁打ち」とはどんな位置づけなんだろう?と整理してみると、「面談等では相談しづらい悩みを誰かに話したい時」とか「仕事でモヤっとしている事を吐き出してすっきりしたい時」など、「雑談以上1on1以下」みたいな位置づけのコミュニケーション方法なのかなあというイメージです。

雑談以上1on1以下

壁打ちのルール・ポイント

上司・部下の関係では行わない

それは単なる1on1ですし「気を遣わずに何でも話してよ」と言っても最終的には立場通りのコミュニケーションになってしまいます。
可能であれば部署も違う方が良いと思います。フラットな気持ちで話が聞ける関係値が理想ではあります。
(社長室所属で部下を持っていない今の私にとっては適任なのかも)

指示・命令は出さない

壁役は上司ではないので、あくまで相談者自らの話に耳を傾け会話をします。ただ会話の内容が相談者が所属するチームの方針や上司の指示とは極端に異なる方向に行かないよう気を付けます。
(「アドバイス大好き人間」は壁役は向かないかもしれない)

話したい事やすっきりしたい事をスムーズに吐き出してもらうようにする

壁打ちは貯めこんでる人が相談に来る事が多いです。そのためはじめは1時間で設定することが多いです。それでも足りなくなる事はよくあります。
なのでまず最初に「あなたがこの壁打ちを終えて会議室を出る時、どんな気持ちになっていたい?具体的に何が解決してたら嬉しいか教えて?」と聞いてあげると、自然と話の優先順位が整理できます。

壁打ちは「話してすっきりして終わり」じゃない

「聞いてもらえてすっきりしました!それではさよなら!」では単なる雑談とあまり変わりません。壁打ちはあくまで業務中に行っているコミュニケーションなので、何かしら仕事の成果につながるように導けるものでなければなりません

かといっていきなり「壁打ちをやったおかげで売り上げが上がった」とか「昇格して給料が上がった」という事にはなりません。そんなに万能なものはこの世にありません。

なので私は、悩みと同時に悩みの解決の糸口となりそうな「変化させる事(変化できそうな事)」や「行動する事」も一緒に吐き出してもらうようにしています。
はじめは簡単にすぐ行動できる内容が良いかもしれないです。例えば「次の会議から見方を変えて参加する」でも「コメントにスタンプをつけるようにする」でも。
もし具体的な内容が見つからないなら、行動に移せそうなきっかけだけでもアドバイスします。例えば「まずはスケジュールだけでも確認してみたら?」とか「前回のフィードバックをもう一度読み直してみたら?」とか。
何度も言いますが壁役は上司ではないので具体的な指示は出しません。あくまで行動を起こすためのきっかけ作りを手伝い、結果として新たな行動を生みだす事が壁打ちの成果だと考えています。

まとめ・壁打ちの効果

変化する事と行動を起こす事が大事

「気持ちが割り切れたので集中できるようになった」とか「タスクを付箋で管理するようになった」とか「知見を得るため勉強会に参加した」とか「脳内整理して評価者にも相談してみた」とか「臆さず相談できるようになった」とか、たとえ小さくとも、相談者が自らの力で新たな行動を起こせるようになる事が最大の魅力でなはいでしょうか。

事実として相談者は壁打ちを通じて新たな一歩を踏みだせているのです。その一歩が道となり、後々の大きな成果・成長につながると考えています。

最後に私の実績

2021年末から2022年6月現在までに、のべ32回、20人のメンバーと壁打ちをやりました。職種はディレクターが多いですが、口コミで広がりエンジニアやデザイナーなどのクリエイターもいます(ディレクター65%、クリエイター20%、その他15%)。

壁打ち実施後にアンケートを取っているのですが「期待通りだった=5点(10点満点)」の評価で「平均7.9点」をいただいているので、皆さん満足していただけているようです。

大小問わず実際に変化したり行動に移せたメンバーは、40%~50%といったところでしょうか。みんながんばってる。

話をしてスッキリするし新たな行動も起こせる。また新たにモヤッとしたら、壁はいつでもそこにある。
「壁打ちしてみたい」という方はぜひお気軽にお声がけください。

仕事役に立つ

Posted by wajimaf