兄が経営する居酒屋の店頭に冷凍ラーメンの自販機を設置した話

これは GMOペパボ ディレクター Advent Calendar 2021 の20日の記事です。

はじめに

タイトルにもあるようにただ単に兄の店の前にラーメンの自販機を置いただけの話なんですが、こんな機会あまりない無いのでまとめてみようかなと。

単純に日記としてまとめるのではなく、せっかくなのでこの件をあえて「居酒家和じま冷凍ラーメン自販機設置プロジェクト」とプロジェクト化して、私自身の本職である「プロジェクトマネジャー」風の視点で何を考え何を行ったかをまとめていっています。

(まあ大人になってから兄弟で何かをやるなんてあまりないことですし、個人的な思い出としての記録でもあります。)
あとラーメンの写真がいっぱい出てきます。

実際に自販機で購入して家で食べた
二郎系豚拳(豚パンチ)

まず簡単なプロフィール

  • 私には近所に住む2つ年上の兄がいます。
  • 兄はずっと料理人をやっていて、7年前に独立しました。
    • 所沢の狭山ヶ丘で「居酒家和じま」という居酒屋を個人で経営しています。
  • 弟の私はずっとITの世界でデザインをしたりディレクションをしたり総務やったり、今はプロジェクトマネージャーとして働いてます(自己紹介)。
    • このブログは私自身のプロジェクトマネージャーとしての活動をアウトプットするために始めたものです。

冷凍ラーメンの自販機を設置することになったきっかけ

お互い全く違った世界で仕事をしてきているため、仕事の話をすることはほとんどないのですが、住まいが近所なのでたまにパソコンやスマホのレクチャーを頼まれることがあったり、雑談的なLINEをすることが年に数回ある感じのお付き合いでした。

そんな雑談の一部がこちら。

私はラーメンが好きな上に職業柄SNSも好きで、日々ラーメンの情報を追いかけるのが癖になっていまして、ラーメン自販機の存在はだいぶ前から知っていました。で、なんとなく「兄貴の店の前に自販機が置けそうなスペースあったな」と思い出し、費用や条件など調べずに軽い気持ちで声をかけてみました。

冷凍ラーメンの自販機事業を行っている企業は数社あるらしいのですが、私がなぜRAMEN STOCK(ラーメンストック)24を選んだかは、

といったところです。

画像は公式サイトから

兄からは「面白いね」と返答がきたものの、「まあ実現はないだろうな」と思ってたのですが、なんと1週間もたたないうちに驚きの返事が。

すぐにRAMEN STOCK(ラーメンストック)24や店舗の大家さんに連絡をとったらしく、「ラーメン好きのお前に試食してもらいたい」という話に。
私、LINEでは淡々と返事してますが、内心「まじかよはえーな」という気持ち。
勢いだけで進んで失敗しないよう、また兄のモチベーションを下げないよう、急激にスタートした「居酒家和じま冷凍ラーメン自販機設置プロジェクト」の実現に向けて、いろいろ脳内整理を始めました。

ラーメン凪の人気ラーメン
「すごい煮干しラーメン」
吉祥寺の人気店
武蔵家の「家系MAX」
実際に店内で調理して試食

試食した感想

麺も具もスープも全部冷凍してあるので、スープや具は湯煎し、麺を茹でるだけの簡単調理。
しかもお店の品がそのまま冷凍されているので、味は間違いないものでした。
1つ1,000円なので「一瞬高いかな」と思う値段ですが、お店に行く手間がかからずに簡単料理で本格的な味が楽しめるのならきっとみんな満足するはず。

設置に向けて

コロナの影響で居酒屋での売上が不安定になっているのは知っていたので、正直「勢いだけで設置を決めていないか」と不安でしたが、決め手になった理由を聞いてみると、一日でも早く居酒屋という形態にとらわれない「新たな売り上げの構造」を構築したいという、とても明確な目的がありました。これには正直驚きました。

目的が明確であればあるほど、プロジェクトはダントツに進めやすいものになります。

居酒屋形態とは

まず目的にある「居酒屋形態」とは何の事を指すのか。目的の認識のずれはプロジェクト進行のリスクになりますので、以下の様に見える化しました。

  • 居酒屋形態とは
    • 対面でのコミュニケーションが発生する。
    • 営業時間と営業日が限られており、営業しないと売上は発生しない。
      • コロナのような外的要因で営業できなくなるリスクもある。
    • お酒が好きな人しかほぼ利用しない。
    • 未成年だけの利用はできない。

今回、新たな売り上げをもたらしてくれる顧客は「自販機でラーメンを買ってくれる人」なので、その顧客目線でリーンキャンバスをまとめると、見事に居酒屋形態では実現できない新たなビジネスモデルになりました。

リーンキャンバスはこちらのサイトを参考にさせていただきました

最初のゴールに向けて

「居酒屋とは別の新たな売り上げを発生させる事」が長期的に見てのゴールになりますが、短期的に見てまず「年内に自販機の設置を無事終えて販売開始する事」を最初のゴールとしました。

プロジェクト成功のカギは「責任者のモチベーション」にもあると考えています。そのため責任者のモチベーションが低かったり伝わりづらい場合、プロジェクトマネージャーが解決するべき課題だと思っています。
幸い今回のプロジェクトにおいて責任者である兄が十分に高いモチベーションを持っているので、私は兄のモチベーションが下がりそうな兄が苦手とする分野のフォローに回ることにしました。
そこでは私自身が持つ「特殊武器」としての能力もふんだんに駆使しました。
(特殊武器という考え方についてはこちらで説明しています。)

書類作成のフォロー

当初「契約書は必要ない」という温度だったのですが、後々でもめる原因にもなるため、契約書を用意してもらうようにしました。内容の確認と捺印や割印などのお作法もアドバイス。その他、お役所的な書類の作文だったりもフォローしました。

自販機に使うパネルの作成

自販機で使う商品紹介用のパネルも用意する必要がありました。LINEで画像データをまとめたPDFが送られてきてるようでしたが、パソコンやスマホが苦手な兄にとって、そのデータをLINEから取り出すだけでも至難の業。
プリンターは持っていないためコンビニのプリンターを使うのですが、指定されたサイズでスマホから直接コンビニプリントする事なんて、料理のできない私が魚を捌くのと同じように「何をどうしたらいいかわからない状態」なので、全力でフォロー。

プリントポート所沢でラミネートしてもらいました

ただここで意識したのが「全部やってあげない事」でした。あくまで私はその場にいながら理屈や操作方法を説明するだけで、実際の操作は兄にやってもらいました。書類にしてもスマホにしても「苦手な事でも理屈が分かればできるという意識」になってもらう事を重要視したのです。なぜかというとこの時私にはまだ兄には伝えていない「ある事」を考えていたのです(次の段落で説明します)。

無事設置完了・販売開始

自販機を担当いただいたラーメン凪の副社長さんとも名刺交換させていただきました。ラーメンの話を聞かせてもらったり、実は同世代かつ同郷である事が発覚したり、カラーミーショップの事や「いつか「ペパボ×ラーメン凪」やりたいですね」なんて話をしたり。
さらにはラミネートしてもらったプリントポート所沢のお店の方が居酒家和じまのお隣さんの常連だったり、いろいろな縁も感じながら、約1か月足らずで予定通り無事自販機を設置する事ができました。雨が降る寒い日でした(その場に私はいなかったけど)。

無事納品されたラーメン自販機

「居酒家和じま」ツイッターはじめました

新たな顧客へのアプローチ方法

今までの「居酒家和じま」はほぼ100%「口コミ」というアプローチ方法で成り立っていました。地域密着型の小さな居酒屋ですから、それがマッチしているのはわかります。
しかし今回は「居酒屋」ではなく「ラーメン」を求める新たな層がターゲットです。そのため新たなアプローチ方法=インターネットの力が必要だと考えていました。インターネットというと世界規模に感じるかもしれませんが、SNSならハッシュタグを上手に使えば地域名などで細かくターゲットを絞る事ができるのです。
しかも今回は通販ではなく自販機で実際に購入してもらう事になるので、店まで足を運べる周辺地域にターゲットを絞れる事が重要。
(まあそもそも広告宣伝費などありませんから「SNSで地道にアプローチしよう」とずっと考えていました)

そしてSNSは「継続する事」が重要です。継続するためには毎日自販機に触れる事ができるモチベーションの高い人物が適任です。そう、兄しかいないのです。

「PCやスマホが苦手」とはいえ、目的のために兄にやってもらうしかないのです。

あくまで目的を果たすため

前段にも書いたようにまず兄に 「苦手な事でも理屈が分かればできるという意識」 になってもらう事が重要です。パソコンやスマホ、SNSの操作も理屈がわかれば操作は専門的なものではありません。
そして「「得意」にならなくていい、「好き」にならなくてもいい、なんなら「苦手」なままでもいいので、「やればできる」を体験して欲しい。」とレクチャーしました。
時にはくじけて「わからない・・・」と嘆くこともありましたが、「新たな売り上げ構造を作るためだよ!がんばろう!」と励ましてきました。

SNSについてざっと以下の事をレクチャーしました。

  • まずはツイッターだけをやる(インスタは私が代わりにあげる)。
  • ツイッターのプロフィールにはお店の写真や住所を載せて見ただけでラーメンが買いに来れる状態にする。
  • ツイート文は誰が読んでもわかるように丁寧に簡素に説明文を入れる。
  • 写真はできる限り入れる。
  • 地域名やラーメンの名前などをハッシュタグにして拡散させる。
  • なんでもいいので毎日投稿する。
  • エゴサーチとツイートのアドバイスは私が定期的に行う。

無事完成した居酒家和じまのツイッターアカウントはこちら

幸いな事に兄にはSNS最強のコンテンツである「料理」があるので、毎日投稿には困っていないようです。
またコミュニケーションという意味ではそもそも接客のプロなので、文章も簡素でわかりやすい。
ハッシュタグも役割が理解できてるため工夫しています。

本来ならばもっとラーメンや自販機のハッシュタグが付けられるツイートも欲しいのですが、たまに居酒屋のお客さんから「店内で調理して」と頼まれる事があるようで、それをネタにツイートしています。

まとめ

最初のゴールに設定した「年内に自販機の設置を無事終えて販売開始する事」は無事完了できました。
さらには長期的なゴールである「居酒屋とは別の新たな売り上げを発生させる事」に向けても「SNS活動」という新たなアプローチを同時に始められた事で、次に繋げられたと感じています。

ツイッターを始めてまだ数週間、まだまだフォロワー数が1桁にもかかわらず、たまーに「いいね」がついたりフォロワーが増えてるので、改めてハッシュタグの力を実感しました。

今後も私は継続的に兄が苦手とする分野のフォローを続けていこうかなと思っています。SNSの活用方法などいろいろ試す事もできますし、そもそも私自身がラーメン好きなので、ラーメンに関われている事が楽しい。

お願い!

狭山ヶ丘近辺にお寄りの際は、ぜひ居酒家和じまで冷凍ラーメンを買ってください!本当に美味しいです。
そしてこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方はぜひツイッターをフォローして拡散にご協力ください!

実際に自販機で購入して家で食べた
博多とんこつ豚王

つづく